④シリーズ【私の行う施術】認知行動療法(CBT)

受け取り方と行動のつながり

僕が施術をするときは、身体だけを見ているわけではありません。

その方が普段どんな生活をしているのか。
仕事ではどんな姿勢が多いのか。
何を心地よいと感じ、どんなときに身体のどこに力が入るのか。

そして、自分の身体の感覚をどのように受け取っているのか。そのようなことも、会話をしながら見ていきます。

そのときに参考にしている考え方の一つが、認知行動療法CBT(Cognitive Behavioral Therapy)です。

同じ出来事でも、感じ方は違う

同じ出来事が起きても、すべての人が同じように感じるわけではありません。

たとえば、誰かから返信が来ない。

ある人は、「忙しいのかな?」と思ったり、別の人は、「何か気に障ることをしたかな?」と思うかもしれません。

起きている出来事は同じです。
しかし、それをどう受け取ったかによって、気分や身体の緊張、その後の行動まで変わることがあるのです。

CBTでは、認知・感情・身体反応・行動が、お互いに関係していると考えます。僕が施術の中で参考にしているのも、このつながりを見る視点です。

身体の状態にも、さまざまな背景がある

疲れているとき、仕事に集中しているとき、緊張しているとき、安心しているとき…

同じ人でも、身体の力の入り方は変わります。

さらに、身体の感覚をどう受け取っているのか
その感覚を気にしているのか
普段どんな姿勢や行動を取っているのか

そうしたことも、その方の身体を見るための情報になります。だから僕は、“身体の状態だけを切り離して考えない”ということを大切にしています。

身体だけを見るのでもなく、心だけを見るのでもない。その方の日常や背景も含めて見ていく。そのための一つの視点として、CBTの考え方を参考にしています。

ポジティブならいい、ではない

CBTという言葉から、ネガティブな考え方をポジティブに変えるものというイメージを持つ方もいるかもしれません。

でも、僕が大切にしているのは、無理に前向きになることではありません。

今、自分は何を感じているのか?実際に起きていることと、自分の受け取り方はどう違うのか?
そこを少し整理してみます。
すると、こういう見方もあるかもしれない。こういう過ごし方もできるかもしれない。と、選択肢が増えることがあります。

僕はその選択肢を、こちらから決めるのではなく、その方自身が見つけていけるような会話を大切にしています。

リラックスする時間だからこそ

身体が緊張しているときには、考え方にも余裕がなくなることがあります。

反対に、身体をゆっくりほぐし、呼吸が落ち着き、少し力が抜けてくると、それまでとは違った角度から自分を見ることができることもあります。

僕の施術は、医療行為や心理療法として行うものではありません。身体をゆっくりとほぐしながら、心身ともにリラックスして過ごしていただく時間です。

その中で交わす会話や、その方を理解するための視点として、認知科学や心理学、CBTなどから学んだ考え方を参考にしているのです。

前回紹介した発達科学では、人を“固定された状態ではなく、環境や条件との関係の中で見る”という視点をご紹介しました。

今回のCBTから学んでいるのは、出来事だけではなく、その人がどう受け取り、どう感じ、どう行動しているのかを見ること。

身体、気持ち、日常生活、その人を一部分だけで見るのではなく、いろいろな角度から知っていく。

それもまた、僕の行う施術で大切にしていることの一つなのです。

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